ネイポール(その他表記)Vidiadhur Surajprasad Naipaul

改訂新版 世界大百科事典 「ネイポール」の意味・わかりやすい解説

ネイポール
Vidiadhur Surajprasad Naipaul
生没年:1932-

旧イギリス領トリニダード島出身の作家で,インド系移民の3世。ナイポールともいう。オックスフォード大学卒業後イギリスに居住。《神秘なマッサージ師》(1957),《ビスワス氏の家》(1961)など祖国インド人社会の貧困と精神価値の喪失を描く社会喜劇から出発,英語による長編9冊と短編集2冊がある。第三世界各地を盛んに旅行し,《中間航路》(1962),《インド-傷ついた文明》(1977),《信仰者の中を往く-イスラム紀行》(1981)などの評論には痛烈な現実批判が見られる。2001年ノーベル文学賞を受賞
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百科事典マイペディア 「ネイポール」の意味・わかりやすい解説

ネイポール

旧英国領トリニダード島出身の作家。インド系移民の三世。ナイポールとも。生地トリニダード・トバゴカレッジを出て,オックスフォード大学を卒業し,以後英国に居住。《神秘なマッサージ師》(1957年),《ビスワス氏の家》(1961年)ではトリニダード・トバゴのインド人社会の貧困と閉塞感を描いた。ほかに《ストーン氏とナイト爵仲間》(1973年),《自由国家で》(1971年),《暗い河》(1979年)などの長編や,《ミゲール・ストリート》(1959年)などの短編集がある。評論に《中間航路》(1962年),《インド――傷ついた文明》(1977年)ほか。2001年ノーベル文学賞。

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