化学辞典 第2版 「ネスメヤーノフ」の解説
ネスメヤーノフ
ネスメヤーノフ
Nesmeyanov, Aleksandr Nikolaevich
ロシアの有機化学者.1917年モスクワ大学に入学.1922年に卒業すると大学にそのまま残り,1935年に教授.1943年ソ連科学アカデミー正会員に選出され,1944年からソ連共産党員となる.戦後,1945年モスクワ大学化学部学部長,1948年同学長,1951年ソ連科学アカデミー総裁を歴任した.1939~1954年有機化学研究所所長を務めた.1929年有機金属化合物を研究し,ジアゾ法による有機水銀化合物の合成法を発見し,同法をタリウム,スズ,鉛などの有機金属化合物に拡張し,不飽和有機金属化合物の立体化学を研究.互変異性をもつ有機金属化合物の構造と反応性の関係を示した.さらに有機金属化合物の概念を拡張した“有機元素化合物”を提唱し,有機元素化合物研究所を設立してその所長を務めた(1954~1980年).
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報