ネズ・パース族(読み)ネズ・パースぞく(英語表記)Nez Percé

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネズ・パース族」の意味・わかりやすい解説

ネズ・パース族
ネズ・パースぞく
Nez Percé

アメリカ,アイダホ州からワシントン州ならびにオレゴン州にかけて,スネーク川下流域を中心に居住する北アメリカインディアンの一民族。その名はフランス語で穿孔された鼻の意。ペヌティ語族のなかのサハプティン語を話す。高原型の文化を基調とするが,隣接する平原インディアンからも文化的影響を受けている。サケが遡上する川の近くに集落を築き,草ぶきの大家屋に暮した。主食は乾燥させたサケであるが,そのほかの獲物や果実などもとった。 18世紀にウマが導入されて以後,彼らの生活は急速な変貌をとげ,遠くロッキー山脈を越えて野牛狩りや交易のための遠征を行なった。戦闘や乗馬風習は平原インディアンから学んだものが多い。 M.ルイスと W.クラークの探検以来,彼らの土地に白人移住者が殺到し,1855年には指定居留地が設定されたが,それも金鉱の発見によって大幅に削減されてしまった。彼らの白人への敵意は 77年のネズ・パース戦争に結集され,合衆国軍隊と5ヵ月に及ぶ死闘を続けた。推定約 1500人がアイダホ州の指定居留地に住むが,大部分の人々は居留地外で生活している。

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