日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ネットワークコンピュータ
ねっとわーくこんぴゅーた
Network Computer
各パソコン共有のデータや資源管理をサーバーに集中させ、それらをネットワークを通して利用するクライアント型のパソコン。NCと略す。各パソコンは、インターネットなどネットワークを通してサーバーから必要な資源・情報をそのつど呼び出し、サーバーと連携してひとつのアプリケーション・ソフトを実行する。パソコン本体は身軽・安価にでき、管理コストは低減される。1996年、「Network Computer」を商標にもつオラクル、IBM、サン・マイクロシステムズ、ネットスケープ・コミュニケーションズ、アップル・コンピュータの5社が規格を立ち上げた。1990年代に発売された特定業務用の端末型のものが300~500ドルであったため、500ドル・パソコンともよばれたが、Java(ジャバ)プログラムを実行できる一般業務用のクライアント型NCなどは1000ドル程度であった。しかし、通常のパソコンが安価になったことなどによりNCは普及せず、マイクロソフト、インテルは「ネットPC」とよぶクライアント型を脱した規格を提唱した。なお、NCからサーバーに接続するには、マイクロソフトのWindows(ウィンドウズ) OS(オペレーティングシステム)の場合、「マイネットワーク」のアイコンから呼び出すことができる(Windows Me(ミー)以降のOS)。
[岩田倫典]