オラクル(読み)おらくる(英語表記)oracle

翻訳|oracle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オラクル」の意味・わかりやすい解説

オラクル(企業名)
おらくる
Oracle Corporation

アメリカのコンピュータソフトウェア会社。1977年、ラリー・エリソンLarry Ellison(ローレンス・ジョセフ・エリソンLawrence Joseph Ellison)(1944― )が中心となってSoftware Development Laboratories(SDL)として設立された。1979年に世界最初の商用SQLリレーショナルデータベース管理システムといわれるオラクルVersion2を発表。社名をRelational Software Inc.(RSI)と変更した。同社の沿革によれば、Version1の正式リリースは行われていない。1983年には社名をオラクルに変更。

 1990年ころに一時経営危機に陥るが、それ以外の時期は順調に業績を伸ばしてきた。企業買収に関しても、ディジタル・イクイップメント・コーポレーションDigital Equipment Corporation(DEC)のリレーショナルデータベースRDB)部門をはじめとして、ピープルソフトPeopleSoft, Inc.など多くの企業や部門を吸収合併。2010年には、ワークステーションを中心とするコンピュータ・メーカーのサン・マイクロシステムズ傘下に収めた。

 主力製品のオラクルは、主に基幹業務で使われるデータベースで、リレーショナルデータベース管理システム(Relational DataBase Management System=RDBMS)に分類される。一般にオラクルという場合、このトータルのソフトウェア群をさす。それを中心に基幹業務を統合する企業提案として製品提供している。オラクル社では、オラクルマスターとよばれる自社製品に対する技能認定制度を制定している。また自社だけでなく取引先企業も含めた技術者のスキルアップに力を入れていることでも有名である。

[編集部]


オラクル(神託)
おらくる
oracle

ラテン語orareから派生した語で、神託とも訳される。人間は、人生の、あるいは国家、社会の難局に直面すると、人力を超えた神の指示を仰いできた。そのようなとき語られる神のことばがオラクルである。オラクルの種類は、神のことばを聞く手段によって夢神託(オラクル)、占い神託、忘我状態の巫者(ふしゃ)によって語られるオラクルなどがある。古代ではギリシアデルフォイのオラクルが有名である。

[月本昭男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オラクル」の意味・わかりやすい解説

オラクル
Oracle Corporation

アメリカ合衆国の企業向けコンピュータソフトウェアメーカー。リレーショナルデータベース管理システム「オラクルデータベース」の開発で知られる。1977年,ラリー・エリソンらによってソフトウェア・デベロップメント・ラボラトリーズとして設立。1979年,構造化照会言語 SQL; Structured Query Languageを使った最初期の商業用リレーショナルデータベースプログラム「オラクル」を発表。汎用性の高いこのデータベースプログラムは急速に広まった。1982年社名をオラクルに変更。1986年株式公開。「オラクル」は着実な成長を遂げたが,会社の発展をもっぱら支えたのは,ソフトウェア事業の積極的買収戦略であった。1990年代半ば,不要な機能を省いたネットワーク・コンピュータに投資し力を入れたが,この戦略は不首尾に終わった。しかしワールド・ワイド・ウェブ技術対応の製品を早い段階から開発し,これらの製品は企業買収とともに同社の成長を支えた。2010年サンマイクロシステムズを買収,プログラム言語 Javaオペレーティングシステム Solarisに加え,オープンソースデータベース MySQLも所有した。

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