日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノビリ」の意味・わかりやすい解説
ノビリ
のびり
Leopoldo Nobili
(1784―1835)
イタリアの物理学者。電気化学および熱電気の研究で知られる。大学卒業後、砲兵隊将校として半生を送ったのち、フィレンツェ博物館の物理学教授となる。アンペールの影響下に、電流の本性についての論文を、1827~1828年に発表した。電池による電流についても化学反応熱によって生じるとし、電流と熱(カロリック)の流れを結び付けた。また電気分解についても静電気による説明を排し、電流の遠隔作用力によって説明する独自の立場を示した。1832年にはメローニMacedonio Melloni(1798―1854)と共同で38対の熱電対による放射熱測定装置(熱倍率器)を製作し、精確な温度変化の測定により、放射熱に関する研究に大きな貢献をした。
[高田紀代志]