のみの市(読み)のみのいち(その他表記)flea market

翻訳|flea market

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「のみの市」の意味・わかりやすい解説

のみの市
のみのいち
flea market

古道具,古着を売る露天市。一般的には古物市,がらくた市という。フランス語 marché aux pucesの訳語。19世紀にフランスのパリ北部クリニャンクール門からサントゥアン門までの路上に立った古物の露店市に由来する。ヨーロッパの大都市の各地で開催されるが,パリの地下鉄ポルトドクリニャンクール駅付近で毎週土・日・月の 3日間開催されるのみの市が有名で,観光客でにぎわう。名前の由来は不明だが,ノミがついていてもおかしくないほど古い物を売っていたことから,ノミ puces(英語では flea)の名前がついたという説がある。日本各地でも古物市が開かれているが,北条氏政が開いた楽市(→楽市・楽座)が起源といわれる東京都世田谷区のぼろ市,江戸時代中期から続いているといわれる京都府京都市にある教王護国寺弘法市,同市北野神社の天神市などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「のみの市」の意味・わかりやすい解説

ノミの市
のみのいち

語の由来は、フランス語marché aux puces(蚤(のみ)の市)の直訳。代表的なものは、フランスのパリ北隅、地下鉄4号線のクリニャンクール門から北へサン・トゥアン門までの路上で、毎週土・日・月曜日に開かれる中古品の露店市。古ナイフ、古時計、古地図、昔の軍服から貴金属まで、数フランから数万フランまでのあらゆる品が並ぶ。盗品も多いといわれるが、掘り出し物もあるパリ名物の一つである。またアリグル広場のノミの市は毎朝9時から12時まで開かれる。わが国でも東京・世田谷一丁目に立つボロ市は、江戸時代以来の歴史をもち、毎年1月と12月の15、16日に開かれ、あらゆる品が並んで雑踏する。しかし、現在では中古品は少なく、ほとんどが新品を並べた安売り市になっている。

田原 久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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