ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノルハイム」の意味・わかりやすい解説
ノルハイム
Nordheim, Sondre
[没]1897.
ノルウェーのスキー選手。新しい滑走法やスキーの形状,スキー用具を開発してスキー競技の発展に貢献し,「近代スキーの父」と呼ばれる。1860年に世界で初めて靴とスキーを固定するバインディングシステムを考案した。靴をスキーに固定するため,つま先止めの両側からかかとまでヤナギやフジ,カバの木の根を巻きつけ,スキーをはずれにくくした。スキーの締め具のさきがけとなるこの工夫がスキーに革命をもたらし,ジャンプを可能にした。1866年テレマルクで行なわれた世界初のジャンプ競技に出場し,優勝した。1870年,今日のスキーの原型となった,中央部分の幅が狭く,前後の方向に向かってなめらかな曲線を描いて広くなるサイドカーブつきのスキーを世界で初めて考案した。また,スキーの基本的なターンであるシュテムターン(シュテム)を開発した。1850年新しい滑走法のパラレルターンを世界で初めて披露した。1868年には友人とともに,ノルウェーのテレマルクからクリスチャニアまでの 322kmをスキーで滑降し,道中ジャンプで 18mも飛んだ。(→アルペンスキー,ノルディックスキー)
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