ハイテク・マーケティング(その他表記)hi-tech marketing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ハイテク・マーケティング
hi-tech marketing

既存技術を即座に時代遅れとするような新技術が出現する可能性が常に存在し,よって強力な科学・技術的基盤を必要とするハイテク産業におけるマーケティング手法。エレクトロニクス関連産業などは,その典型である。そのような産業で新技術に基づいて新製品を開発し,新市場を創出するときには,自社製品を産業のドミナント・デザインに育て上げることが,新市場での優位を確立するために不可欠である。古くは自動車,最近ではパソコンや VTR,コンピュータゲームなどの競争プロセスを見れば,ドミナント・デザインの主導権争いの帰趨 (きすう) が,その後の競争優位を決めていることがわかる。ドミナント・デザインを確立するときには,技術進歩を一定段階に抑える規格化・標準化が必要である。とくに普及財効果をもつ製品の場合がそうである。しかし他方でハイテク産業においては,技術的に標準化され,安定した製品は,さらにそれをはるかに凌駕 (りょうが) する革新的技術からの,次世代製品を決める主導権争いの攻撃を受ける。それに対抗するために,標準化に成功した企業も技術進歩をとめるわけにはいかず,絶えざる技術革新のための投資は不可避になる。ハイテク・マーケティングでの重要な焦点は,広範な市場開拓のための標準化と,次世代技術の開発という相矛盾する志向バランスよく追求しなければならないことである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む