日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハギカズラ」の意味・わかりやすい解説
ハギカズラ
はぎかずら / 萩葛
[学] Galactia tashiroi Maxim.
マメ科(APG分類:マメ科)のつる性多年草。茎は長く地面をはい、長さ1.5メートルに達する。葉は3小葉からなる。小葉は楕円(だえん)形、長さ2~2.5センチメートル、革質、表面は無毛で、裏面に灰白色の軟毛が密生するが、ときに表面にも細軟毛のある品種(ヤエヤマハギカズラ)がある。8月ころ、葉腋(ようえき)の総状花序に2~8個の蝶形花(ちょうけいか)をまばらにつける。花は淡紅紫色、長さ1.3~1.5センチメートル。豆果は細長く、扁平(へんぺい)で、長さ3~5センチメートル、5、6個の種子がある。名は、つる草で花が一見ハギに似ることによる。天草(あまくさ)、種子島(たねがしま)、吐噶喇(とから)列島、奄美(あまみ)、沖縄の海岸の岩場に生え、台湾にも分布する。
[立石庸一 2019年11月20日]