日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハシカンボク」の意味・わかりやすい解説
ハシカンボク
はしかんぼく / 波志干木
[学] Bredia hirsuta Bl.
ノボタン科(APG分類:ノボタン科)の常緑小低木。全株、開出性剛毛と短毛に覆われる。高さ1メートル。葉は対生し、卵形から長楕円(ちょうだえん)形、各対ごとに長さは不等で4~10センチメートル、幅2~5センチメートル。先はとがり、基部は心臓形、縁(へり)に細かい鋸歯(きょし)があり、裏面は白色を帯びる。集散花序をつくり、径約1.5センチメートルの紅色花を多数開く。萼片(がくへん)、花弁ともに4枚、萼筒は長さ約4ミリメートルで子房を包む。雄しべは8本、葯(やく)は紫色を帯びる。蒴果(さくか)は倒円錐(えんすい)形で長さ約7ミリメートル。林縁に生え、九州南部から沖縄に分布する。名の由来は不明。
[古澤潔夫 2020年8月20日]