最新 地学事典 「ハマスレー鉄鉱床地区」の解説
ハマスレーてつこうしょうちく
ハマスレー鉄鉱床地区
Hamersley iron province
西オーストラリア,ピルバラ・クラトンの南半部80,000km2を占める世界の五大縞状鉄鉱層分布域の一つ。鉱床は下部原生界ハマスレー層群(25億年前)の下位からMarra Mamba・Brockman・Boolgeedaの各鉄鉱層のうちMarra Mamba層中の8層とBrockman層中の17層のマクロバンド(m単位の鉱層)を主に稼行。鉱層は鉄酸化物(磁鉄鉱・赤鉄鉱)・チャート・炭酸塩(シデライト・アンケライト)・珪酸塩(スティルプノメレン・ミネソタアイト)・硫化物(黄鉄鉱)などのつくるメソバンド(数mm~cm単位の縞)の繰返しからなる美しい縞模様を呈する。この鉱物組合せは続成作用・埋没変成作用の産物。静かな大陸棚の環境で海水から化学的に沈殿した点では意見の一致をみるが,Feの源,縞の成因,当時の酸化・還元状態等については議論が多い。一般的なFe含量は30~40%であるが,二次富化したFe62%以上の鉱石は直送鉱として出鉱。40以上の鉱床があり,最大はMt.Whalebackの埋蔵量17億t, 品位Fe65.1, P0.055, SiO23.7, Al2O3 1.5, ign.loss(加熱減量)1.5%。二次富化鉱石のほか,溶出した褐鉄鉱の化学的沈殿鉱床も採掘され,これを含めた本地区全体の埋蔵量はFe60%以上の高品位鉱が確認184億t, 予測77.7億t, Fe50%以上の低品位鉱が確認60.5億t,予測39.2億t, 年生産量1億t(1993)。その90%以上を輸出。西欧人入植当時から鉱床の存在は知られていたが,遠隔地のため開発は1965年から。
執筆者:矢島 淳吉
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

