ハマダン(読み)はまだん(その他表記)Hamadān

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマダン」の意味・わかりやすい解説

ハマダン
はまだん
Hamadān

イラン中西部、ハマダン州の州都。人口40万1281(1996)、55万4406(2016センサス)。アルバンド山北麓(ほくろく)に位置するイラン最古の都市の一つで、古代メディア王国の首都エクバタナEcbatanaにあたるとされる。古来、メソポタミアと東洋を結ぶ隊商路上の主要都市として盛衰を繰り返した。標高1642メートルの高地にあり、三方を山に囲まれているため、夏は短く穏やかだが、冬の最低気温は零下31℃にも達し、積雪量も多い。リンゴ、ナシ、サクランボワタ、ジャガイモなど、さまざまな作物を産する豊かな農業地帯を控えた商業都市である。また、黒鉛、金、白金アンチモンなどの鉱物を産し、皮革、マッチなどの工場がある。『旧約聖書』中のエステルとモルデカイの墓や、エクバタナの城門にあったとされるライオンの石像のほかに、イスラム時代のイラン最大の哲学者で、医者でもあったイブン・シーナーの廟(びょう)がある。

[香川優子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「ハマダン」の解説

ハマダン
Hamadan

イラン北西部にある都市
古代メディア王国の首都エクバタナ(Ecbatana)として古くから栄えた。夏の宮殿(都)とされた。ササン朝時代の遺物遺跡が多い。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

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