エクバタナ(その他表記)Ekbatana

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改訂新版 世界大百科事典 「エクバタナ」の意味・わかりやすい解説

エクバタナ
Ekbatana

イラン西部の都市ハマダーンの古名で,古代イラン語ハグマターナHagmatānaに由来する。前8~前6世紀にはメディア王国の首都であった。ヘロドトス七重城壁をもつ都市であったと伝えている。前550年にキュロス2世がメディアを征服してからペルシア帝国の王都の一つとなり,夏宮として利用された。ペルセポリスやスーサ,バビロンとともに,エクバタナにも帝国公文書類が保管されていたことは旧約聖書の記事(《エズラ記》6:2)からも明らかである。前330年にエクバタナを占領したアレクサンドロス大王は,ペルシア帝国から略奪した莫大な財宝をすべてここに集めさせたという。セレウコス朝からパルティアササン朝,イスラム時代を通じてメディア地方の州都として存続し,また内陸貿易の重要な商業都市として繁栄をつづけた。現在の市街地は古代遺跡の上に重なり,そのため発掘調査が難しく,行われていない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エクバタナ」の意味・わかりやすい解説

エクバタナ

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