ハルハ語(読み)ハルハご(その他表記)Khalkha

改訂新版 世界大百科事典 「ハルハ語」の意味・わかりやすい解説

ハルハ語 (ハルハご)
Khalkha

モンゴル語を代表する言語の一つ。モンゴル国公用語で,同国全域で通行するほか,内モンゴルの全域,また,カルムイク共和国ブリヤート共和国モンゴル人にも理解されるので,ハルハ語(あるいはハルハ方言)は,いわば,モンゴル族の共通語的な役割を果たしているということができる。使用人口は150万人を超えると考えられる。西部方言,中央方言,東部方言の三つの方言に分かれ,その下に,いくつかの下位方言も見られるが,総じて方言的差異はそれほど顕著なものではなく,中央方言に属するウランバートル(モンゴル国の首都)の言語を,ハルハ語の標準的言語とみなすことができる。
モンゴル諸語
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハルハ語」の意味・わかりやすい解説

ハルハ語
ハルハご
Khalkha language

モンゴル語の一つ。モンゴル国の首都ウラーンバートルを中心に同国のほぼ全域 (話し手約 200万人) ,および中国の内モンゴル自治区 (話し手約 300万人) にも行われており,モンゴル語のうち最も有力なもの。事実上のモンゴル共通語となりつつある。モンゴル語という名称は,モンゴル語全体をさしたり,ハルハ語とそれに似ている内モンゴル諸語 (チャハル語オルドス語,ハラチン語,ウラット語) をまとめてさしたりするのに用いられるが,またハルハ語だけをさすことも多い。文字はウイグル文字起源をもつモンゴル文字で,上から下に,左の行から右の行に書いたが,モンゴル国においては 1941~44年にロシア文字に切替えられた。それに伴い,モンゴル文語からハルハ語に基づく新しい文字言語へと移行した。

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世界大百科事典(旧版)内のハルハ語の言及

【フィンランド】より

…またアールネの提起した昔話分類法は世界的に利用されている。さらにU.ハルバはウラル・アルタイ語系諸民族の民俗と神話を広く論究した。 言語学者カストレンMathias Alexander Castrén(1813‐52)はサモエード諸語とアルタイ諸語の研究に,ラムステッドはアルタイ諸語の比較研究に大きな業績を残している。…

※「ハルハ語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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