バッケリ(英語表記)Riccardo Bacchelli

改訂新版 世界大百科事典 「バッケリ」の意味・わかりやすい解説

バッケリ
Riccardo Bacchelli
生没年:1891-1985

イタリアの小説家。生地ボローニャの,カルドゥッチ,パスコリが教鞭をとった大学で文学を修め,早熟な才能を示す。1919年,カルダレリチェッキらと《ロンダ》誌を創刊,同人でただひとり小説を進路とした。高い教養とモラリズム,巨視的な歴史観を骨格に,洗練された文体を駆使し,文学者としてバランスのとれた保守主義の立場をとった。代表作は,イタリアでのバクーニンらアナーキストの革命運動の挫折を描いた《ポンテルンゴの悪魔》(1927),フェラーラ近郊の水車小屋を舞台に,1世紀にわたるある家族の転変にイタリア近代の動きを重ねた,三部作の歴史大河小説《ポー川の水車小屋》(1938-40)。数多くのすぐれた小説のほか,詩,劇,批評,さらに歴史評論(《エステ家のドン・ジュリオの陰謀》(1931)など),音楽評論,古典註解におよぶ,驚くほど旺盛な息の長い文筆活動は,現代イタリア文学の〈大家〉と呼ぶにふさわしいものがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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