バッサイのアポロ-エピクリオス神殿(読み)バッサイのアポロエピクリオスしんでん

世界遺産詳解 の解説

バッサイのアポロエピクリオスしんでん【バッサイのアポロ-エピクリオス神殿】

1986年に登録された世界遺産(文化遺産)。バッサイバッセ)は、ギリシア南部ペロポネソス半島の、古代にはアルカディア地方と呼ばれていた地域(現在のメッシニア県北東部)にある標高1160mの山である。この山中に、紀元前420年頃に建設されたアポロ・エピクリオス神殿がある。紀元前5世紀末頃に、近隣にペストが大流行したが、アポロ(アポロン)神により災厄を免れたと信じた市民が、これを感謝してアポロ神に捧げるために建造したという伝説がある。アポロ・エピクリオスとは「加護を与えし者アポロ」を意味する。この神殿はドーリス式オーダー、イオニア式オーダー、コリント式オーダーの3つのギリシア建築様式が用いられているという点が特徴的。また、ギリシア神殿は通常正面を東向きにして建てられるが、この神殿は北向きに建てられている。2世紀のギリシアの旅行家・地理学者で『ギリシア案内記』を著したパウサニアスは、この神殿の調和のとれた建築の見事さから、アテネパルテノン神殿を手がけたイクティノスによる建築であると述べている。◇英名はTemple of Apollo Epicurius at Bassae

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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