ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バドル」の意味・わかりやすい解説
バドル
al-Badr, Mohammed
イエメン国王 (在位 1962.9.19.~27.) 。アルバドルともいう。シーア派イスラム教徒のザイディ派教主を兼ねていた。父アフマド国王の死後,1962年9月 19日即位したが,27日アラブ連合軍の支援を得た A.サッラールらのクーデターで首都を追われサウジアラビアに逃れた。バドルは北部部族長の支持とサウジアラビアの支援を受けて,サッラールらの共和派と対抗したため内戦に発展した。 1967年 11月5日サッラール大統領はイラク訪問中追放され,Q.イルヤーニー前副大統領を議長とする革命評議会が成立し,穏健派共和制主義者の勝利となった。しかし,その後エジプト軍の撤退とともに再び王制派と共和派の対立抗争が激化し,バドルはサウジアラビアのジッダに亡命政権を維持しながら,共和派との戦いを続けたが,1974年6月の I.ハマディ政権成立によって王制派と共和派の対立は終わりを告げたため,海外で亡命生活をおくった。
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