改訂新版 世界大百科事典 「バナジン酸塩鉱物」の意味・わかりやすい解説 バナジン酸塩鉱物 (バナジンさんえんこうぶつ)vanadate mineral バナジン酸V2O5・nH2Oの塩としての基本化学組成をもつ鉱物の総称。リン酸塩鉱物,ヒ酸塩鉱物とは近縁で,結晶構造中のバナジウム原子の一部を置き換えて,リン,ヒ素が入ることもある。黄,橙,黄緑,褐色など,鮮やかな色を呈するものが多い。代表種は褐鉛鉱Pb5(VO4)3Clなどである。バナジウムおよびウランの資源として重視されるものには,カルノー石K2(UO2)2(VO4)2・3H2Oやツヤムン石tyuyamunite Ca(UO2)2(VO4)2・5~8H2Oなどがあり,アメリカのコロラド高原の砂岩型ウラン鉱床では主要な鉱物。日本での産出はまれである。執筆者:坂巻 幸雄 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by