カルノー石
かるのーせき
carnotite
堆積(たいせき)型ウラン鉱床中に産する重要なウランの鉱石鉱物。砂岩中の炭質物質の周りに濃集して生成され、既存の初生ウラン鉱物とバナジウムを主成分とする物質の酸化分解と、地下水の作用で沈殿するものと考えられている。原子配列上は通常のバナジン酸基と異なり、VO5というV5+(5価のバナジウムイオン)を囲む正方錐(すい)が2個、稜(りょう)を共有して結合した[V2O8]6-という基本基をもつ。そのためにバナジン酸塩ではなく、ほかの多重バナジン酸塩鉱物同様、系統分類上酸化物に入れられることもある。基本基の一部を構成する[V2O8]をバナジン酸基とみるか酸化物とみるかによって系統分類上の位置が異なる。カルシウム(Ca)置換体のツヤムン石やその低位水化物メタツヤムン石metatyuyamunite(化学式Ca[(UO2)2|V2O8]・3~5H2O)とは外見上区別しがたい。初期の原子爆弾の原料となったウランは、おもにこの鉱物から抽出精錬された。フランスの工業技術者カルノーMarie Adolphe Carnot(1839―1920)にちなんで命名された。
[加藤 昭 2016年2月17日]
カルノー石(データノート)
かるのーせきでーたのーと
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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カルノーせき
カルノー石
carnotite
化学組成K2(UO2)2(VO4)2・3H2Oの鉱物。カーノット石とも。単斜晶系,空間群P21/a,格子定数a1.047nm, b0.841, c0.691, β103°40′,単位格子中2分子含む。同じX線粉末線を示すK(UO2)(VO4)も合成される。粉末状集合か,薄膜状または斑点状をなす。劈開{001}完全。土状光沢,レモン黄~緑黄色。光軸面(100),方位X=c, 2V(-)39°~50°,光分散r<v弱,屈折率・多色性α1.750, X=無色;β1.925, Y=カナリア色;γ1.950, Z=カナリア色,含水量は1~3まで変化し,それに伴い屈折率も変わる。吹管で不溶融。酸類に易溶。砂岩中に産し,二次ウラン鉱物として重要。K4V4O12と(NH4)4 U2O7を溶融するとK(UO2)(VO4)が合成される。フランスの化学者Marie-Adolphe Carnot(1839~1920)にちなみ命名。
執筆者:青木 義和
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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カルノー石 (カルノーせき)
carnotite
ウラニルバナジン酸塩鉱物の代表種の一つ。化学組成K2(UO2)2(V2O8)・3H2O。単斜晶系。鮮黄色~鮮黄緑色。肉眼的には土状の粉末であるが,顕微鏡下では微細な板状結晶が見えることもある。主産地はアメリカ西部のコロラド高原地方。同地では,三畳系~ジュラ系砂岩層中に形成されている,いわゆる砂岩型ウラン鉱床の鉱石鉱物で,砂岩中の割れ目や砂粒間の空隙を埋めたり,植物破片を置き換えたりして産する。製錬時にはウラン,バナジウム,時にラジウムが回収される。日本では鳥取県東郷鉱山で標本的に産出しただけである。
執筆者:坂巻 幸雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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カルノー石
カルノーせき
carnotite
K2(UO2)2(VO4)2・3H2O 。レモン黄ないし緑黄色の放射性鉱物。粉末状集合,薄膜状,斑点をなす。酸類にたやすく溶ける。比重 4.70 。砂岩中に産し,2次ウラン鉱物として重要。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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