バルーン療法(読み)バルーンりょうほう

百科事典マイペディア 「バルーン療法」の意味・わかりやすい解説

バルーン療法【バルーンりょうほう】

狭心症心筋梗塞の治療法の一つ。これらの心臓病は,動脈硬化などによって冠状動脈の一部が細くなるために起きるが,この細くなった部分をバルーン風船)で膨らませることによって,血管を広げる方法である。経皮的冠動脈拡張術もしくはPTCAともいう。 手順としては,カテーテルという細い管を大腿部動脈に差し込み,冠状動脈の細くなった部分まで進めて,8気圧の圧力をかけて風船を膨らませ,血管を拡張する。 入院期間は3日前後で,開胸手術ではないため患者の負担も軽い。バルーン療法の対象は,薬物療法では治らないが,バイパス術をするほど重症ではない患者で,年齢,体力,ライフスタイルなども考慮される。たとえば,冠状動脈の細くなった部分が比較的小さい患者のほか,体力の低下した高齢者,仕事の都合で長期入院ができないビジネスマンなどが多い。 バルーン療法は,バイパス術と比べて約5倍の症例数がある。ただし,3分の1以上は再び血管が狭くなってくる可能性があり,最終的には手術が必要な場合もある。→A-Cバイパス術

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