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出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
(1)循環器病ガイドシリーズ. ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン (2013年改訂版). http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_kimura_h.pdf
(2)循環器病ガイドシリーズ. 非ST上昇型急性冠症候群の診療に関するガイドライン (2012年改訂版) . http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_kimura_h.pdf
(3)Maroko PR, Radvany P, Braunwald E, et al. Reduction of infarctsize by oxygen inhalation following acute coronary occlusion. Circulation. 1975;52:360-368.
(4)Juul-Moller S, Edvardsson N, Jahnmatz B, et al. Double-blind trialof aspirin in primary prevention of myocardial infarction in patients with stable chronic angina pectoris. The Swedish Angina Pectoris Aspirin Trial (SAPAT) Group. Lancet. 1992;340:1421-1425.
(5)Shiomi H, Nakagawa Y, Morimoto T, et al. CREDO-Kyoto AMI investigators. Association of onset to balloon and door to balloon time with long term clinical outcome in patients with ST elevation acute myocardial infarction having primary percutaneous coronary intervention: observational study. BMJ. 2012;344:e3257.
(6)Bonnefoy E, Lapostolle F, Leizorovicz A, et al. Primaryangioplasty versus prehospital fibrinolysis in acute myocardialinfarction: a randomised study. Lancet. 2002;360: 825-829.
(7)Widimsky P, Budesinsky T, Vorac D, et al. Long distance transportfor primary angioplasty vs immediate thrombolysis in acutemyocardial infarction. Final results of the randomized nationalmulticentre trial―PRAGUE-2. Eur Heart J. 2003;24:94-104.
(8)循環器病ガイドシリーズ.心筋梗塞二次予防に関するガイドライン (2011年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_ogawah_h.pdf
(9)ISIS-4: a randomised factorial trial assessing early oral captopril, oral mononitrate, and intravenous magnesium sulphate in 58,050 patients with suspected acute myocardial infarction. ISIS-4 (Fourth International Study of Infarct Survival) Collaborative Group. Lancet. 1995;345:669-685.
(10)The Beta-Blocker Pooling Project Research Group. The Beta-Blocker Pooling Project (BBPP): subgroup findings from randomized trials in post infarction patients. Eur Heart J. 1988;9:8-16.
(11)Sacks FM, Pfeffer MA, Moye LA, et al. The effect of pravastatin on coronary events after myocardial infarction in patients with average cholesterol levels. Cholesterol and Recurrent Events Trial investigators. N Engl J Med. 1996;335:1001-1009.
(12)May GS, Eberlein KA, Furberg CD, et al. Secondaryprevention after myocardial infarction: a review of long-termtrials. ProgCardiovasc Dis. 1982;24:331-352.
(13)Willett WC, Green A, Stampfer MJ, et al. Relative andexcess risks of coronary heart disease among women whosmoke cigarettes. N Engl J Med. 1987;317:1303-1309.
出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
壊死は次第に心外膜側へ波状に広がり6~24時間後には
同じく冠状動脈の動脈硬化に基づく狭心症は心筋の壊死がなく、心臓本来のはたらきであるポンプ機能は正常に保たれているのに対し、心筋梗塞では心筋が壊死に陥ってポンプ機能が障害され、壊死が広汎に及べば心不全やショックを合併することもあります。
最近の医学の進歩で急性心筋梗塞の死亡率は減少していますが、現在でも5~10%程度とあなどれません。急性心筋梗塞の半数には前駆症状として狭心症がありますが、残りの半数はまったく何の前触れもなしに突然発症するので、予知が難しいことが問題です。
心筋梗塞は発症からの時間の経過で治療法、重症度も異なるので、発症2週間以内を急性、1カ月以上経過したものを陳旧性とするのが一般的です。
陳旧性心筋梗塞の重症度は心機能(心筋壊死の大きさ)と
従来、冠動脈の
最近では、不安定狭心症や急性心筋梗塞は、冠動脈壁の粥腫の崩壊とそれに引き続いて起こる血栓の形成のために冠血流が急激に減少するという共通の病態に基づいて発症するものと考えられるようになり、まとめて
ただし、すべてがこれら粥腫の崩壊に基づくものではなく、狭窄度が徐々に進行したもの、また日本では冠れん縮(冠動脈の血管平滑筋の過剰な収縮)によるものも少なくありません。
粥腫は動脈硬化により形成されます。動脈硬化は動脈が弾力性を失ってもろくなった状態で、年齢とともに徐々に進行しますが、人種差、体質や外的要因によっても進行度に違いがあります。
冠動脈の動脈硬化を進行させる因子を冠危険因子といい、高コレステロール血症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、痛風、中性脂肪、運動不足、精神的ストレスなどがあげられます。
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急性心筋梗塞は多くの場合、胸部の激痛、
高齢者では特徴的な胸痛でなく、息切れ、吐き気などの消化器症状で発症することも少なくありません。また、糖尿病の患者さんや高齢者では無痛性のこともあり、無痛性心筋梗塞は15%程度に認められます。
狭心症の患者さんで、症状の程度がいつもより強くなったり、回数が頻回になったり、軽い労作で誘発されるようになった場合には、不安定狭心症や心筋梗塞に移行する可能性があるので、ただちに専門医を受診するのが安全でしょう。
急性心筋梗塞は前記のような特徴的な強い持続性の胸痛と、心電図の所見、血清酵素の上昇から診断されます。心電図検査は簡便ですが、急性心筋梗塞の診断に極めて有用です。
発症直後ではT波の増高だけしか認められず、専門医でないと見逃すこともありますが、2~3時間後には特徴的なST上昇が認められます。心電図のST上昇を示す誘導箇所から心筋梗塞の場所、どの冠動脈が閉塞しているかがわかります。さらに時間が経過するとR波が減高し、Q波の出現を認めるようになります。
ただし、心臓の後ろ側の心筋梗塞など一部の症例では、急性期でもST上昇を認めず、ST低下として表現されることもあるため診断が難しいこともあります。
このような場合には心エコー検査で心筋の壁運動を観察して診断の補助とします。また、胸痛の原因が心筋梗塞なのか大動脈解離などの他の病気であるのかの鑑別診断にも心エコー検査は有用です。慢性期の陳旧性心筋梗塞では、梗塞の部位に一致した誘導で異常Q波と陰性T波を認めます。
心筋梗塞の急性期には壊死に陥った心筋から心筋
しかし、いずれの酵素も心筋梗塞の発症から血液中で上昇を始めるまでには時間的にずれがあり、いちばん早く上昇するとされるCK、トロポニンでも血液中で上昇してくるのは発症3時間後ぐらいからです。したがって、発症直後であればたとえ心筋逸脱酵素が上昇していなくても、急性心筋梗塞を否定することはできず、必要があれば時間を追って繰り返し測定しなければなりません。
発症早期にはミオグロビンの測定が有用ですが、心筋特異性が低いのが欠点です。またGOTは肝障害や
急性心筋梗塞の治療は一般的治療と特殊治療に分けられます。急性心筋梗塞は梗塞の範囲が広いほど予後が不良になるので、できるだけすみやかに詰まった冠動脈を再開通させる治療(
再灌流療法には、静脈ないし冠動脈から血栓を溶解させる薬物(組織プラスミノーゲンアクチベータ)を注射する方法(
血栓溶解療法には出血性合併症の問題があり、血栓が溶けても高度の狭窄病変が残ることも多く、日本ではインターベンション治療が一般的に行われています。発症6時間以内であれば、再灌流療法により心筋壊死の範囲を狭くすることが可能とされ、一般的には12時間以内がインターベンション治療の適応とされています。
一般的治療として数日間の安静・絶食、鎮痛薬、安定薬の投与、酸素吸入が必要です。抗血栓薬としてアスピリンは急性期から投与し、継続的に心電図を監視して重症の心室性不整脈が現れるのに対応できるようにします。
心筋梗塞後には、生命予後の改善効果が示されているACE阻害薬ないしアンジオテンシン受容体阻害薬を投与する。さらに
退院前には生活習慣を是正して、必要があればコレステロール低下薬(スタチン製剤)などを服用して、長期予後の改善を図る必要もあるでしょう。
重症な病気なので、前記のような強い胸痛があればすみやかに救急車で専門医の診察を受けることが大切です。また、普段から病気にならないよう、生活習慣の改善に努めることが何より重要です。
西山 信一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
冠状動脈による心筋への酸素(血液)の需要と供給が不均衡となり酸素不足の状態(冠不全)が持続する結果、心筋細胞に不可逆性変化(心筋壊死(えし))が生じて心筋の収縮機能が多少なりとも障害を受けた病態をいう。原因は主として冠状動脈の硬化性狭窄(きょうさく)病変を基盤とし、血栓形成や動脈のれん縮が加わって冠血流がとだえることにあると考えられる。すなわち、冠血流が停止すると、心筋細胞において細胞小器官の膨化が数十分以内に生じ、数時間の経過で心筋壊死が進展するとされている。心臓弁膜症などで心腔(しんくう)内に形成された血栓が冠状動脈閉塞を引き起こすこともある。
好発年齢は狭心症と同様に50~60歳代であり、男性が女性に比べて多い。臨床的に労作および安静時に突然生じる左前胸部の絞扼(こうやく)感(絞め付けられるような感じ)を主症状とし、冷汗、悪心、嘔吐(おうと)などの随伴症状を呈することもある。また頻発する狭心症の発作に対してニトログリセリンの投与が奏効しない場合も、心筋梗塞への移行を考慮しなくてはならない。
[井上通敏]
病歴、心電図所見、白血球数、血清逸脱酵素の定量によって診断されるが、多くの場合、発症数時間後に心電図のST部分の著明な上昇を認めるので、判定は容易である。心筋の壊死によって、血清内へ流出する血清逸脱酵素の一つであるクレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)のイソ酵素MB型の定量測定も、心筋梗塞に特異性が高く、診断に有用である。
[井上通敏]
急性心筋梗塞は発症後数時間内に不整脈などで死亡する例が多いので、早期にICUやCCUに収容して集中監視および治療を行うことが肝要である。安静を保ち、酸素吸入を施行する一方、胸痛に対しては鎮痛剤を使用するが、心筋梗塞の胸痛は通常の鎮痛剤では奏効しない場合が多く、麻薬(モルヒネ)の使用を余儀なくされることもある。これらの一般的処置が行われたら、集中監視システムを設置した専門施設での治療が必要である。心筋梗塞の死亡率は20%程度であり、心不全、ショック、心破裂、不整脈に基づくことが多い。治療法の進歩に伴い、不整脈による死亡は減少傾向にあるが、心筋収縮機能の低下に起因する心不全やショックによる死亡率は依然として高率である。心筋の収縮力低下は障害心筋の範囲に依存しているため、治療に際してはこの点に留意し、心筋の保護に努力する。すでに壊死が進展した心筋細胞は再生しないので、非梗塞領域の健常残余心筋の障害進展を防止することも肝要である。なお、外科的療法としては、心不全やショックが強いときに大動脈内バルーンパンピングを行う。すなわち、大腿(だいたい)動脈から大動脈内にバルーン付きカテーテルを挿入し、胸部下行大動脈内に固定して大動脈圧を調整し、冠血流を増加させる方法である。また急性期を過ぎてからは、大動脈と冠動脈にバイパスの血管を設ける手術も行われる。
[井上通敏]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
出典 あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)生活習慣病用語辞典について 情報
…形のうえで現れる変化のうち,可逆性のものを変性とよぶが,壊死は,不可逆性の変化に陥ったものである。壊死をおこす原因には,栄養動脈の閉塞による血行停止(たとえば,冠動脈閉塞によっておこる心筋梗塞),毒素(ヘビ毒,ガス壊疽(えそ)菌,ジフテリア菌などによる細胞融解),ウイルス感染による細胞崩壊,化学物質(青酸塩など),電離放射線(癌の放射線療法などでおこる),高温や低温(火傷,凍傷)などが挙げられる。細胞壊死のメカニズムには不明の点が多いが,膜系のATPの喪失,カルシウムイオンの細胞内流入が密に関係している。…
…冠状動脈の粥状硬化など,種々の原因で冠状動脈の血流が不足して一時的に心筋の酸素不足が生じ,その症状として数分間,胸が圧迫されるような苦しみや痛みを伴う発作をくり返す病気である。この苦しみの発作を狭心発作と呼び,これが数十分以上も続くときは,心筋の一部が壊死に陥り元どおりには回復しない心筋梗塞(こうそく)に移行することがある。1768年イギリスのヘバーデンWilliam Heberden(1710‐1801)によって狭心発作と心臓との関係につき詳細に記述されたが,そのときにはまだ狭心症と心筋梗塞との区別は明確でなく,狭心症のなかに心筋の壊死を伴う心筋梗塞を含めて考えていた。…
…心筋を養う冠状動脈に硬化症やスパズム(痙攣(けいれん))が起こり,心筋の好気性代謝に必要とする酸素が十分供給されない場合は,嫌気性代謝が主となりエネルギー産出は著しく減少し,心筋障害が進行する。これは臨床的には狭心症や心筋梗塞(こうそく)の発症につながる。心筋
[冠状循環coronary circulation]
心臓を養う冠状動脈coronary arteryは大動脈基部から左右2本出て心外膜下に入る。…
…STは一般にPQと同じレベルにあるもので,心室全体が等電位にあることを示す。したがってSTが上昇または下降すると,心室筋の一部に興奮性の異常(心筋梗塞(しんきんこうそく)など)のあることが推定される。T波は心室興奮の回復過程により生じ,その経過は0.16秒である。…
…したがって,正常の状態では心破裂を起こすことはない。心破裂の原因となるのは,大部分が心筋梗塞(こうそく)である。とくに心筋梗塞で血圧が高い場合や老人,特に女性の場合に生じやすく,心筋梗塞の発生後数日の間,あるいは10日前後に,再び強い狭心発作が起こったり,興奮したりすると,心筋に少しずつ亀裂が生じて,ついには全層が破れる。…
…それ以後も脳卒中は悪性新生物(癌)に次いで第2位を占めている。したがって日本人の動脈硬化性疾患についての疫学的研究は,脳卒中に関してのものが主役を演じざるをえなかったということができるし,このことはアメリカやヨーロッパ諸国においては狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患についての疫学的研究が主役であるのと同じ理由をもつ。日本における近年の虚血性心疾患と脳卒中の死亡率の頻度をみると,虚血性心疾患による死亡は1950年は年間9.9人(人口10万人対。…
※「心筋梗塞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
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