バンセンヌ窯(読み)バンセンヌよう(その他表記)Vincennes porcelaine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンセンヌ窯」の意味・わかりやすい解説

バンセンヌ窯
バンセンヌよう
Vincennes porcelaine

1738年,フランスのパリ近郊バンセンヌ城内に陶工 R.デュボア,G.デュボア兄弟と王室財務官のオリー・ド・フルビが設立した軟質磁器工場。のちにこの工場の主体は,56年にセーブルに新設された王立磁器窯に移されたが,工場そのものは 59年まで続いて閉窯。製品は食器や小花器が大部分であったが,50年代の作品は非常に水準の高い絵付けで知られる。初期のマイセン磁器風柿右衛門様式や花文の絵付けから脱皮して,いわゆるセーブル磁器先駆となる金彩と青,緑,紅色の地色発色特色を発揮した。

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世界大百科事典(旧版)内のバンセンヌ窯の言及

【セーブル磁器】より

…53年には王立磁器製作所となり,製品には交差したLの窯印を用いた。 ルイ15世の愛妾で愛陶家のポンパドゥール夫人は53年,このバンセンヌ窯をベルサイユの彼女の邸館に近いセーブルに移転させることを提案し,その名称も〈フランス王立セーブル磁器製作所〉と改めさせた。56年の移転から69年にかけてセーブル窯はエロー,彫刻家のファルコネ,画家のブーシェら当代の著名な化学者や画家を招き,フランスの誇るすぐれた磁器を製作した。…

※「バンセンヌ窯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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