1989年に登録されたマリの世界遺産(複合遺産)で、首都バマコの北東にあるモプティ地区に位置する。ここには、バンディアガラ山地とニジェール川による標高差500mの断崖が、約200kmにわたって続いており、1300年頃からこの断崖やその麓にドゴン人が住み着いて、現在では700の集落に25万人が暮らしている。その集落は外敵から集落を守るため、断崖の上下に造られた土の要塞で、ドゴン人独特の神話に基づいた社(やしろ)や墓地が造られている。ドゴン人はキリスト教やイスラム教に帰依することなく、その神話を強固に保持し続けてきた部族で、仮面をつけた踊りなどの伝統的儀式を今日まで保持している。バンディアガラの断崖の特異な自然景観や、文化としての遺産が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はCliff of Bandiagara(Land of the Dogons)