日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンピーロフ」の意味・わかりやすい解説
バンピーロフ
ばんぴーろふ
Александр Валентинович Вампилов/Aleksandr Valentinovich Vampilov
(1937―1972)
ソ連の劇作家。イルクーツク州クトゥリクに生まれる。1960年イルクーツク大学文学部卒業。在学中から短編やルポを書き、やがて劇作の道に入った。作品に、『6月の別れ』(1966)、『上の息子』(1970)、『鴨猟(かもりょう)』(1970)、『去年の夏、チュリムスクで』(1972)などの多幕物、『天使と20分』(1970)、『メトランパーシの物語』(1971)などの一幕物がある。イルクーツクに永住、バイカル湖でボートの転覆事故で溺死(できし)したが、死後、優れた筋立てで人間心理を深く洞察したそれらの作品が評価され、海外でも上演されるようになった。
[中本信幸]
『桜井郁子訳『天使と二十分――ヴァムピーロフ作品集』(1983・夏の書房)』