デジタル大辞泉
「パノラマカメラ」の意味・読み・例文・類語
パノラマ‐カメラ(panorama camera)
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
パノラマカメラ
規格化された画面のタテヨコ比( アスペクト比 )、たとえば2:3や3:4に対して、横長の画面を撮影するカメラ。アスペクト比は9:16以上の非常にヨコに長い画面になる。広い風景を撮影して効果を出すためには有効なカメラである。一時、AF一眼レフやコンパクトカメラに「パノラマモード」が搭載されたが、これは35mm判画面の上下を覆うことにより、横長の画面を作り出すもので、「疑似パノラマカメラ」と言える。 本格的なパノラマカメラはフジフイルムTX-2 (右写真) のように、同じ35mmフィルムを使っても、フィルムアパーチャー(開口部)がヨコに長くなっていて、フルにフィルム画面を使ったパノラマ撮影が可能となっている。なお、写真の歴史の中ではパノラマ写真というのは表現として使われてきていて、たとえばジャック=アンリ・ラルティーグの写真などが有名である。
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「パノラマカメラ」の意味・わかりやすい解説
パノラマ・カメラ
超広角の視野を1枚のフィルムに撮影する仕組のカメラ。レンズの主点を中心とする円弧上にフィルムを配し,この直前に垂直のスリットを設け,これをレンズの光軸上に一致させ,レンズの回転と同期させて動かし,フィルム上に連続像を結ばせる。レンズの包括角度を超える300°以上の画角の撮影が可能でフィルムの全域でピントを得られる。近年コンパクトカメラなどで用いられている方式は,通常の35mmフィルムの1こまの上下をマスクで覆って撮影するもので,専用機で9×25cmにプリントされる。モードの切り替えだけで1本のフィルムにパノラマサイズと標準サイズを写すことができるものもある。
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世界大百科事典(旧版)内のパノラマカメラの言及
【スリットカメラ】より
…もっとも一般的なフォーカルプレンシャッターを備えた一眼レフカメラなども,この意味からいえばスリットカメラの一種といえるが,通常は除外される。スリットカメラの一つにパノラマカメラpanoramic cameraがある。これは後側主点を中心に回転する撮影レンズと,その焦点位置にあってレンズとともに回転するスリットからなり,この回転軸を中心として円形に配置されたフィルム上にきわめて大画角の映像をゆがみなく鮮鋭に撮影できる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」