パラガングリオン(その他表記)paraganglion

改訂新版 世界大百科事典 「パラガングリオン」の意味・わかりやすい解説

パラガングリオン
paraganglion

交感神経や副交感神経に沿って存在する上皮性細胞の集団で,厚い結合組織の被膜で包まれ,血管に富んでいる。旁節または旁神経節ともいう。交感神経性パラガングリオンは,神経堤の交感神経原基から発生する。副腎髄質が最大のパラガングリオンともいわれるように,パラガングリオンの主細胞は,副腎髄質の細胞によく似ており,細胞質中には径50~200nmの電子密度の高い顆粒(かりゆう)が多数みられ,ノルアドレナリンを含んでいるといわれる。下腸間膜動脈の起始部にある有対のパラガングリオンは腹大動脈パラガングリオンまたはツッカーカンドル器官organ of Zuckerkandlと呼ばれる。これらの細胞群は,クロム酸塩を含む固定液で処理すると黄褐色に着色するので,クロム親和性系に分類される。

 副交感性パラガングリオンには,舌咽神経に沿う頸動脈小体carotid bodyと迷走神経に沿う大動脈小体aortic bodyがあり,化学受容器として働き,血液の酸素,二酸化炭素濃度の変化やpHの変動を受容する。実質細胞は電子密度大の顆粒を含むが,クロム親和性反応は陰性である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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