日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
パリ・オペラ・コミック座
ぱりおぺらこみっくざ
Opéra-comique de Paris
フランスの歌劇上演のための団体。1715年設立。移転を繰り返したのち、1783年現在のファバール街に劇場を建設したが、1887年焼失。1898年に現在の建物が開場した。大規模な演目はパリ・オペラ座に譲り、フランス歌劇の進展のために重要な役割を果たした。オッフェンバック『ホフマン物語』、トマ『ミニヨン』、ビゼー『カルメン』、マスネ『マノン』、ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』などがここで初演されている。メサジェ、クリュイタンス、フルネらが音楽監督を務めたが、現在はパリ・オペラ座と統合され国立の組織として運営され、上演される機会の乏しいフランス歌劇、バロック歌劇がおもに演じられている。
[美山良夫]