日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミニョン」の意味・わかりやすい解説
ミニョン
みにょん
Mignon
フランスの作曲家トマの3幕からなるオペラ。1866年作曲。ゲーテの『ウィルヘルム・マイスターの修業時代』に基づき、バルビエとカレが台本を作成。オペラ全体は、主人公ウィルヘルムがロマ(かつてはジプシーとよばれた)の一座と旅する誠実な少女ミニョンに、そして魅力的な女優フィリーナに恋する物語で、最後には、親切な放浪の老歌手ロターリオが実は名のある貴族であり、ミニョンの父親でもあることが判明してクライマックスを迎える。第一幕でミニョンが歌うロマンス「君よ知るや南の国」がとくに名高い。作曲の同年パリで初演。日本初演は1921年(大正10)ロシア歌劇団による。日本人による初演は1951年(昭和26)藤原歌劇団。
[三宅幸夫]