ミニョン(読み)みにょん(英語表記)Mignon

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミニョン」の意味・わかりやすい解説

ミニョン
みにょん
Mignon

フランスの作曲家トマの3幕からなるオペラ。1866年作曲。ゲーテの『ウィルヘルム・マイスターの修業時代』に基づき、バルビエカレ台本を作成。オペラ全体は、主人公ウィルヘルムがロマ(かつてはジプシーとよばれた)の一座と旅する誠実な少女ミニョンに、そして魅力的な女優フィリーナに恋する物語で、最後には、親切な放浪の老歌手ロターリオが実は名のある貴族であり、ミニョンの父親でもあることが判明してクライマックスを迎える。第一幕でミニョンが歌うロマンス「君よ知るや南の国」がとくに名高い。作曲の同年パリで初演。日本初演は1921年(大正10)ロシア歌劇団による。日本人による初演は1951年(昭和26)藤原歌劇団。

[三宅幸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミニョン」の意味・わかりやすい解説

ミニョン
Mignon, Abraham

[生]1640.6.21. フランクフルトアムマイン
[没]1697. フランクフルトアムマイン/ウェッツラー
オランダの画家生地で J.マルレルに学んだのち,1660年頃ユトレヒトの J.ヘームに師事した。 65年一時帰国したが,69年ユトレヒトの聖ルカ画家組合に登録。多作家で,作品にはヘームの影響が強い。花,果物小鳥装飾豊かなテーブル昆虫などの静物画のほか,肖像画も描いた。

ミニヨン
Mignon

ドイツ詩人,作家ゲーテの教養小説『ウィルヘルム・マイスターの修業時代』 (1795~96) に登場する清純可憐な少女で,人間の心にひそむロマン的憧憬の象徴とみられる。これに基づく3幕のオペラ『ミニヨン』 (1866,J.バルビエと M.カレの台本,C.トマ作曲) があり,第1幕のミニヨンが歌うロマンツェ「君よ知るや南の国」が有名。

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