クリュイタンス(読み)くりゅいたんす(その他表記)André Cluytens

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリュイタンス」の意味・わかりやすい解説

クリュイタンス
くりゅいたんす
André Cluytens
(1905―1967)

ベルギー指揮者アントワープ生まれ。同地の王立音楽院を出て、王立歌劇場の合唱指揮を経て常任指揮者となる。1932年にフランスに移り、トゥールーズリヨンボルドーオペラ指揮者として活躍。43年パリ音楽院管弦楽団ならびにフランス国立放送管弦楽団の指揮者となり、フランス楽界に地歩を築く。47年パリ・オペラ・コミック音楽監督、49年パリ音楽院管弦楽団常任指揮者に就任、死去するまでこの地位にあった。64年(昭和39)この楽団と初来日。フランスの近・現代音楽を精妙な響きを駆使して魅力的に聞かせた一面ベートーベンワーグナーのドイツ音楽でも、温雅な表現のなかに確かな構成力を感じさせ、新しい境地を開いた。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「クリュイタンス」の意味・わかりやすい解説

クリュイタンス

ベルギー出身のフランスの指揮者。指揮者を父にアントワープ(アントウェルペン)に生まれ,早くからオペラに親しむ。生地の音楽院を14歳で卒業し1927年にオペラ指揮者としてデビュー。フランス各地の歌劇場で指揮者を務めたのち1947年パリのオペラ・コミック音楽監督に就任。1949年以降はパリ音楽院管弦楽団の首席指揮者を務めた。1964年同楽団と来日。フランス近代の音楽に味わい深い名演を残している。→パリ管弦楽団

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