最新 地学事典 「パリセード輝緑岩シル」の解説
パリセードきりょくがんシル
パリセード輝緑岩シル
Palisades diabase sill
北米ハドソン川の西岸に沿い,スタテン島から北へ80kmの延長をもつ大規模シル。Newark層(三畳系)を抜き,接触変成を与える。15°Wの傾斜をもち,300mの厚さがある。上・下には5~9mの玄武岩急冷周縁相があり,下部周縁相上に4~5mのかんらん石集積相があるが,急激にかんらん石は減り,消失。かんらん石はFeに富みFe30~35。主体の輝緑岩は下から上へ粒度が増し,最上部数十mにはペグマタイト,シュリーレンが多い。全体にオージャイトがあり,緑褐色が上部ほど濃い。かんらん石集積相直上でWo30En44Fs26。一方,ピジョン輝石(シルの中心でWo13En53Fs34)は上部2/3に,ハイパーシン(かんらん石集積相でFs35)は下部1/3に多い。シル周縁部に石英アルバイト輝石脈が存在。地球化学的にはソレアイトの分化トレンドを示し,その分化機構として,マグマミキシング・結晶沈積作用・流動分化作用あるいはそれらの複合した作用等が考えられている。マグマの1回の貫入に対して,複数回の貫入も提案される。参考文献:F.Walker(1940) Geol. Soc. Am. Bull.,Vol.51
執筆者:端山 好和・久保 和也・高澤 栄一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

