岩石学辞典 「シュリーレン」の解説
シュリーレン
シュリーレンという語はミグマタイトの構造,組織にも用いられる.この場合にはパレオソムまたはネオソムを含んだメラノソムの条線をいう.優黒質で不規則な条線や塊となり,この条線は片理に平行配列することが多い.日本では墨流しと表現することがある.ミグマタイトあるいは混成したミグマタイトの中の不規則な流れや塊を示すと考えられ,その境界は不明確である.シュリーレンはパレオソムで,周囲のネオソムに囲まれているとされている.岩体の中でマフィック鉱物が周囲の部分よりも濃集して,不規則な条線状や面状となる.捕獲岩やマグマの流れによる条痕などを示すことから,火成岩がその場での分化作用,母岩の破片の同化作用,すでに固結した物質の中への残液の注入,などによるものと考えられている.