日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒエラティック」の意味・わかりやすい解説 ヒエラティックひえらてぃっくHieratic 古代エジプト文字の書体の一つで、楷書(かいしょ)体と草書体の中間にあたるもの。ギリシアの歴史家ヘロドトスは古代エジプトの文字をヒエログリフ(神聖文字・聖刻文字)とデモティック(通俗文字・民衆文字)に分けたが、初期キリスト教神父アレクサンドリアのクレメンス(2~3世紀)はこの中間にヒエラティック(神官文字)を加えた。主として『死者の書』などの宗教的パピルスに用いられたのでこうよばれたが、文学的パピルスもしばしばこの書体で記されている。[矢島文夫][参照項目] | エジプト文字 | ヒエログリフ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例