ひび(篊)(読み)ひび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ひび(篊)」の意味・わかりやすい解説

ひび(篊)
ひび / 篊

沿岸でノリを養殖する施設で、胞子を付着させて生育させるものをいう。古く、魚を捕獲するために海中に立てたひびにノリが着生したことから始まった。ナラカシなどの樹枝、マダケモウソウチクなどの竹類を用いた粗朶(そだ)ひび、網地を用いた網ひび、割り竹を簀子(すのこ)状に編んだ簾(すだれ)ひびがある。設置方法により、立体式、水平固定式、水平浮動式がある。現在はおもに網ひびが用いられ、これには水平固定式および水平浮動式がある。なお、粗朶ひびは、かつてはカキ採苗(種(たね)ガキ)に用いられていたが、現在ではホタテガイのひびなどが用いられており、これはひびとはいわず付着器とよばれる。

[小橋二夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android