ブナ科(APG分類:ブナ科)コナラ属Quercusのコナラ亜属Lepidobalanusのうち、落葉性の種をさす総称。日本ではコナラ、ミズナラ、ナラガシワを一般にナラ類とし、同亜属のクヌギ、カシワなどは含まない。ナラ類のうちコナラは日本全土の低山地から平地の雑木林に普通に分布する。古来より薪(まき)やナラ炭として重要であったが、近年はもっぱらシイタケ栽培の原木として利用されるくらいである。
また、コナラより高い所に生育するミズナラは大径木が残っており、高級家具材として有用となってきている。一方、ナラと対照されるカシ類はコナラ属アカガシ亜属Cychrobalanopsisに含まれ、すべて常緑であり、東南アジアと日本のみに約50種が分布する。
[萩原信介 2020年1月21日]
ブナ科コナラ属Quercusのうち落葉性のコナラ亜属樹種が一般にナラ類と総称される。英語のオークもふつうは落葉性のナラ類をさすが,常緑性の種も含むコナラ属全体を意味することもある。しかし日本でナラといえば,ミズナラおよびコナラ,ときにナラガシワQ.aliena Blumeを含めたものをさし,炭焼きや林業家も同じコナラ亜属のカシワあるいはクヌギおよびアベマキなどとは区別している。形態的にも顕著な違いがあり,ミズナラやコナラは葉が倒披針形で,どんぐりが1年で熟し殻斗の鱗片は短く覆瓦状であるが,カシワは殻斗の鱗片が長く葉も大きい。一方,クヌギとアベマキは葉が披針形で細長く,どんぐりが2年目に熟して殻斗の鱗片が長い。
執筆者:濱谷 稔夫
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…サンスクリット原名は《ナローパーキャーナNalopākhyāna》。もと,叙事詩第3巻は王国を追われた悲運の王子の森林生活を描くため,一時的に不幸に襲われても必ず最後に幸福が訪れる古譚を語って,仙人たちが王子を激励する物語が繰り返され,ナラ王物語もこの種の物語の一環をなすが,内容の興味と描写の美しさから,つとにインドの内外で愛好されている。若くして武術に令名を馳せた美貌の王子ナラ王と隣国の王女ダマヤンティーは,ハンサ鳥の取りもつ縁で相思相愛の間がらとなり,神々の試練を経てめでたく結婚し,1男1女をもうける。…
…ブナ科コナラ属Quercusの樹木の総称的英名。コナラ属は約400種の樹木からなり,主として北半球の温帯から熱帯に分布する。…
…薪炭材にしたり,落葉を肥料にするなど農山村の生活と密接なかかわりを持っていた。材は建築,家具などに用いられるが,ミズナラほど優秀でない。 ミズナラQ.mongolica Fischer var.grosseserrata (Bl.) Rehd.et Wils.はコナラより高い所に生え,大木で森林をなす。…
※「なら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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