モウソウチク(読み)もうそうちく

日本大百科全書(ニッポニカ)「モウソウチク」の解説

モウソウチク
もうそうちく / 孟宗竹
[学] Phyllostachys pubescens Mazel

イネ科のタケ・ササ類。日本のタケ類のなかでは最大で、大きなものは高さ25メートル、径24センチメートルに達する。竹の皮は幅が広く、黒褐色の斑紋(はんもん)と密な黄褐色の長毛がある。稈(かん)の節にある隆起線が1本なので、2本あるマダケやハチクなどとは、節を見ただけで区別できる。稈は上方が湾曲し、枝は密に細かく分枝する。葉は狭披針(きょうひしん)形で長さ6~10センチメートル、幅0.8~1センチメートルと小さく、葉鞘(ようしょう)の上縁にある肩毛は少なく、脱落しやすい。名は、中国の二十四孝の一人、孟宗(もうそう)の故事にちなんでつけられたという。1736年(元文1)に薩摩(さつま)藩の島津吉貴(よしたか)が中国から導入した。鹿児島市磯(いそ)公園の竹林は日本最初のモウソウチク林で、いまもよく茂っている。

 タケノコは、味ではハチクのほうが勝るといわれるが、市場のタケノコは大部分がモウソウチクである。丸竹のまま、また人工四角竹をつくり、建築材にされる。竹材としてはマダケやハチクほどの粘り気と弾性はないが、肉が厚く、柔らかいので、機械にかけやすく、箸(はし)やしゃもじなど、また枝は竹箒(たけぼうき)をつくるのに適する。モウソウチクは大形なので、近代建築物によく調和し、目隠し、日よけ、美観などのために植えられ、また稈に黄金色の縦縞(たてじま)がある品種のキンメイモウソウチクや、稈が奇形のキッコウチクが観賞用に植えられる。

[鈴木貞雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

国民投票法

正式名称は「日本国憲法の改正手続に関する法律」。平成19年法律第51号。2007年(平成19)5月18日に制定され、施行は3年後の2010年5月18日である。この法律は、日本国憲法第96条に定める日本...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android