改訂新版 世界大百科事典 の解説
ヒマーチャル・プラデーシュ[州]
Himāchal Pradesh
インド最北西部の州。面積5万6000km2,人口607万7900(2001)。州都はシムラ。主要言語は西パハーリー語。州名は〈雪山の州〉を意味する。北から順に高度を異にする大ヒマラヤ,小ヒマラヤ,シワリクの3山脈が北西~南東に走り,その間をチェナーブ,サトレジなどの諸河川が狭い河谷平野をつくっている。河谷部では米,トウモロコシ,果実(桃,リンゴなど)を産する。河谷上の山地斜面は松,ヒマラヤ杉などの森林が茂り,林業は州第一の産業である。森林限界上の草地は,ガッディ族などの遊牧民が羊,ヤギの夏の牧地として利用する。12世紀末以降,ムスリムの支配を逃れたヒンドゥー諸王が小王国をつくり,英領下にも藩王国として存続した。インド独立後の1948年に旧パンジャーブ州の一部とマンディなどの旧藩王国との二つの飛地からなる連邦直轄領となった。66年にはパンジャーブ州のカーングラ県などを加えて飛地を解消し,71年には州に昇格した。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報