せつ‐ざん【雪山】
(「せっさん」とも)
[1] 〘名〙
① 雪の積もっている山。四季を通じて雪の消えない高山。ゆきやま。
※正法眼蔵(1231‐53)大悟「ここをもて雪山の雪山のために大悟するあり。木石は木石をかりて大悟す」 〔庾信‐司馬裔墓誌銘〕
② 白波が高く寄せて来るのを、
雪の山に見立てていう語。
※北遊詩草(1822)親不知子不知「洪濤百尺駆二驚雷一、来打二懸崖一雪山頽」 〔裴夷直‐寄杭州崔使君詩〕
※天草本平家(1592)四「サンミノチュウジャウワ xessanni(セッサンニ) ナク トリノ ヤウニ、キョウヨ アスヨト モノヲ ヲモウ コトヨト アッテ」 〔後漢書‐班超伝〕
ゆき‐やま【雪山】
〘名〙
① 雪を高く積み上げて山のようにしたもの。平安時代によく行なわれ、はじめは座興的なもので、奉仕した者には祿を賜わるなどしたが、やがて行事として形式化された。雪の山。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「雪山つくらせ給て、ひひなあそびなどもろともにして、みせたてまつり給ふ」
② 雪が積もっている冬の山。雪の山。《季・冬》
※霊芝(1937)〈飯田蛇笏〉昭和一一年「雪山を匐ひまはりゐる谺かな」
せっ‐せん【雪山】
※菅家文草(900頃)五・感雪朝「此朝誰不二雪山僧一、恩捨綿々草木凝」 〔北本涅槃経‐一四〕
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雪山
せつざん / シュエシャン
台湾の北部にある雪山山脈の主峰。台中の北東50キロメートル、苗栗(びょうりつ)県との県境に位置する。標高3884メートル。玉山に次ぐ台湾第二の高峰である。旧称に碧(へき)山、雪翁(せつおう)山、秀抜(しゅうばつ)山、次高山(つぎたかやま)などがある。第二次世界大戦後、蒋介石(しょうかいせき)が興隆(こうりゅう)山と命名、現在の地図にこの名称が一部使用されている。山頂付近に氷河地形が多くみられ、原始林がある。高山植物の景観や冬季の雪景が秀麗で、登山観光の地として知られる。
[劉 進 慶]
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雪山 せつざん
?-? 戦国-織豊時代の画家。
一説に雪村周継の弟子。墨梅,墨竹にたくみで,また着色画にもひいでていた。墨画による文殊持剣像をえがいた雪山も同一人物とかんがえられている。
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雪山【せつざん】
台湾中央部の山。雪山山脈の最高峰で,標高3886m,台湾第2の高峰である。日本統治時代には次高山と呼ばれていた。太魯閣国立公園に隣接する。
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雪山
せっせん
インドの北方にそびえるヒマラヤ山脈のこと。大雪山ともいう。常に雪をいただいているところから名づけられ,インド民族は,古くから仰望してきた。
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デジタル大辞泉
「雪山」の意味・読み・例文・類語
せつ‐ざん【雪山】
《「せっさん」とも》
雪の積もっている山。また、常に雪のある山。ゆきやま。雪嶺。
「せっせん(雪山)」に同じ。
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普及版 字通
「雪山」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の雪山の言及
【北島雪山】より
…江戸前期の唐様書家。熊本の医師,宗宅の次男。通称は三立。医術修業の兄江庵とともに長崎に赴き,陽明学を修め,来朝の黄檗僧独立,即非に書法を学び,さらに兪立徳(ゆりつとく)から明の文徴明の筆法を授けられた。その後,熊本侯に儒臣として仕えたが,やがて江戸に出て書名をあげ,細井広沢らに書法を教えた。奇行多く,酒を好み,豪快な行・草をよく書き,唐様書家の先達として高く評価されている。【角井 博】…
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