シムラ(読み)しむら(英語表記)Simla

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シムラ」の意味・わかりやすい解説

シムラ
しむら
Simla

インド北西部、ヒマチャル・プラデシュ州の州都デリー北方約300キロメートル、シワリク丘陵にあり、標高2000メートルの高原上に位置する。人口1万3632(2001)。イギリス植民地時代からの避暑地で、下界では40℃以上の酷暑のときでも、ここでは19~28℃にとどまる。植民地時代の夏の首都で、現在も当時の建物が多く残り、静かな別荘地としてのたたずまいをみせている。周辺丘陵地では林業牧畜が盛んで、茶の栽培も行われている。鉄道、道路はここを起点にデリーやムンバイボンベイ)、コルカタカルカッタ)などへ通じ、カシミールへの入口にもあたっている。

[北川建次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シムラ」の意味・わかりやすい解説

シムラ
Simla

インド北西部,ヒマチャルプラデーシュ州の州都。シムラ県の行政庁所在地。州南部,シバーリク山脈中の標高 2000~2500mの斜面に位置。1月の平均気温4℃,7月は 19.5℃,年降水量 1600mm。北方にヒマラヤ支脈の山々を望む眺望のよさと夏季の快適さとで有名な避暑地。 1814~16年のグルカ戦争ののち避暑地として注目され,65年から 1939年までイギリス領インドの夏季の首都であった。ホテルやバンガローが多く,南西部の鉄道駅付近には政府機関が集中。鉄道,国道空路でデリーと結ばれる。人口8万 1463 (1991) 。

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