ヒメサザンカ(読み)ひめさざんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメサザンカ」の意味・わかりやすい解説

ヒメサザンカ
ひめさざんか / 姫山茶花
[学] Camellia lutchuensis T.Ito

ツバキ科(APG分類:ツバキ科)の常緑亜高木。リュウキュウツバキともいう。高さ5~10メートル。葉は薄い革質で互生し、長楕円(ちょうだえん)形で先はとがり、縁(へり)に細かい鈍鋸歯(きょし)がある。葉柄は短く、長さ約1ミリメートル。11月から翌年2月、径約3センチメートルで紅点のある香りのよい白色花を開く。果実はほぼ球形で径約1センチメートル、1個まれに2個の種子がある。名は、花形サザンカより小形で、かつ香りがあることに由来する。徳之島から沖縄の固有種で、山地尾根筋に生育する。

[島袋敬一 2021年4月16日]

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世界大百科事典(旧版)内のヒメサザンカの言及

【ツバキ(椿)】より

…ユキツバキとヤブツバキとの中間型も多く,またユキツバキ由来の園芸品種もある。このほか沖縄には,花の外形がツバキに似るが,著しく小型の白い花を咲かせるヒメサザンカC.lutchuensis T.Itoが分布していて,花に芳香がある。 ツバキ属Camelliaは,中国原産のものが多く,いくつかの種が日本へ導入されている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」