日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメヤシャブシ」の意味・わかりやすい解説
ヒメヤシャブシ
ひめやしゃぶし / 姫夜叉五倍子
[学] Alnus pendula Matsum.
カバノキ科(APG分類:カバノキ科)の落葉低木または小高木。大きなものは高さ5メートル以上になる。葉は卵状楕円(だえん)形で細長く、側脈は20~26対、縁(へり)に重鋸歯(じゅうきょし)がある。また、よく似た別種ヤシャブシよりも細く、側脈の数が多い。雌雄同株。4~5月に開花する。果穂は長さ1.5センチメートル、球果状になる。堅果に翼があり、風で散布する。日当りのよい谷筋の斜面などに生え、北海道と本州の日本海側に分布。やせ地でもよく生育するので、砂防用に植えられる。また、はげ山の緑化樹にもする。
[菊沢喜八郎 2020年2月17日]