ヒメラの戦い(読み)ヒメラのたたかい(その他表記)Battle of Himera

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒメラの戦い」の意味・わかりやすい解説

ヒメラの戦い
ヒメラのたたかい
Battle of Himera

前 480年のアクラガス僭主テロンカルタゴとの戦いヒメラの僭主テリロスはテロンによりヒメラから放逐されたため,当時シチリアの西半分を掌握し東半分のギリシア植民市と対立していたカルタゴに救援を求めた。将軍ハミルカル・バルカス指揮下のカルタゴの 30万の大軍は,テロンの占拠したヒメラを攻撃したが,シラクサゲロンとテロンとの同盟軍に大敗した。なおこの戦いはサラミスの海戦と偶然にも時期が一致するため,古代にはペルシア王とカルタゴとが密約したものと考える者もいた。この敗戦によってカルタゴはシチリア進出をはばまれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメラの戦い」の意味・わかりやすい解説

ヒメラの戦い
ひめらのたたかい

古代のシチリア島における戦い。ヒメラHimeraは、シチリア島北東端のポリスザンクレが、紀元前649年ごろ島の北岸に建てた植民市。前483年、僭主(せんしゅ)テリロスが、島の南岸アクラガスの僭主テロンにヒメラから追い出され、カルタゴに援助を求めたことから、前480年、テロンとシラクサの僭主ゲロンの連合軍が、ハミルカルの率いるカルタゴ軍とヒメラで戦い、これを撃破した。

[清永昭次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android