ヒョウモンダコ(読み)ひょうもんだこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒョウモンダコ」の意味・わかりやすい解説

ヒョウモンダコ
ひょうもんだこ / 豹紋蛸
[学] Hapalochlaena maculosa

軟体動物門頭足綱マダコ科のタコ相模(さがみ)湾、八丈島以南、広く太平洋インド洋、オーストラリア、タスマニア島にまで分布する。体長12センチメートル、外套(がいとう)(胴)長3.5センチメートルぐらいに達する。皮膚の表面はややざらざらしていて、目の上には棘(とげ)がある。地肌の色は黄色ないし橙(だいだい)色で、胴部に4縦列、腕に8~9黄帯の黒い模様があり、黒の中心部にコバルト色の輪状紋があって、色彩が毒々しい。本種の咬毒(こうどく)は強く、かまれると嘔吐(おうと)、けいれんをおこし、まれに死ぬことがある。このヒョウモンダコ属の種には、普通のタコと違って墨汁嚢(のう)がない。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒョウモンダコ」の意味・わかりやすい解説

ヒョウモンダコ
Hapalochlaena fasciata; blue lined octopus

軟体動物門頭足綱マダコ科。体長 12cm,胴長 3.5cm,胴幅 2.5cm。小型のタコで灰橙色。外套上に4縦帯,腕に8~9横帯がある。これらは暗褐色の中に紺色の中心部または環があり美しい。腕長は体長の 70%を占め,第3腕が最も長い。墨汁嚢は小さく肝臓に埋没している。唾液腺猛毒で,人が咬まれると嘔吐をしたり,手足のしびれを起し,ときに死亡する。インド洋,太平洋の温帯熱帯に広く分布し,房総半島以南の浅海にもすむ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヒョウモンダコの言及

【タコ(蛸∥章魚)】より

… 餌はおもに甲殻類であるが,他の軟体類(貝類)なども好む。タコの唾液腺にはこれらの餌を殺す,チラミンtyramineなどの毒を含み,なかでも熱帯太平洋に分布するヒョウモンダコは毒性が強い。人を攻撃することはないが,ときにはいたずらをしていてかまれた人が死ぬことがある。…

【テトロドトキシン】より

…テトロドトキシンの特異的な拮抗薬はまだ知られていない。テトロドトキシンの存在はフグだけに限らず,最近ではカリフォルニアイモリTaricha torosa,ツムギハゼGobius criniger(奄美大島以南産の毒ハゼ),ヒョウモンダコOctopus maculosus(オーストラリア沿岸産)などにもあることが知られている。【粕谷 豊】。…

※「ヒョウモンダコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

一度利用した製品を捨てずにそのまま再使用すること。ごみの削減に重要だとされる「3R」の一つで、衣類・服飾品や家電などさまざまな品目が取り扱われている。リユース商品の専門店やイベント、フリーマーケット...

リユースの用語解説を読む