日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒョウモンダコ」の意味・わかりやすい解説
ヒョウモンダコ
ひょうもんだこ / 豹紋蛸
[学] Hapalochlaena maculosa
軟体動物門頭足綱マダコ科のタコ。相模(さがみ)湾、八丈島以南、広く太平洋、インド洋、オーストラリア、タスマニア島にまで分布する。体長12センチメートル、外套(がいとう)(胴)長3.5センチメートルぐらいに達する。皮膚の表面はややざらざらしていて、目の上には棘(とげ)がある。地肌の色は黄色ないし橙(だいだい)色で、胴部に4縦列、腕に8~9黄帯の黒い模様があり、黒の中心部にコバルト色の輪状紋があって、色彩が毒々しい。本種の咬毒(こうどく)は強く、かまれると嘔吐(おうと)、けいれんをおこし、まれに死ぬことがある。このヒョウモンダコ属の種には、普通のタコと違って墨汁嚢(のう)がない。
[奥谷喬司]