コヒルガオ(読み)こひるがお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

コヒルガオ
こひるがお / 小昼顔
[学] Calystegia hederacea Wall.

ヒルガオ科(APG分類:ヒルガオ科)の多年生つる草。葉は三角状矛形で、下方の側片は横に張り出し、その先は多くは2裂する。5~7月、葉腋(ようえき)に1個ずつアサガオに似た花を開く。花柄の上部には縮れた狭い翼が4個あり、2枚の包葉は先がとがる。花冠は淡紅紫色で、日中開き夕刻にはしぼむ。淡紅紫色を帯びた雄しべが5本、白色雌しべが1本ある。果実は普通はできない。地下茎は白色で切れやすく、地下に残された部分はふたたび発芽し、耕地に入るとやっかいな雑草となる。ヒルガオに似るが、花は小形で、葉形、花柄の翼、包葉の形で区別できる。道端、耕作地、野原などに生え、本州、四国、九州および朝鮮半島、台湾、中国、東南アジアに分布する。

[高橋秀男 2021年6月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

コヒルガオ(小昼顔)
コヒルガオ
Calystegia hederacea

ヒルガオ科の多年草で,東南アジアの温帯から亜熱帯に広く分布する。北海道を除く日本各地の原野路傍に普通に自生する。地下に細長い根茎が発達し,茎はつるとなって伸びる。葉は長い柄があって互生し,長さ4~6cmの三角形状で基部は左右に耳のように張出して,全形はほこ形をしている。夏に,葉腋から花柄を出し,薄く紅色を帯びた漏斗状の花をつける。近縁種ヒルガオ (昼顔)より葉が小型で花も小さい。ヒルガオのほうをオオヒルガオといい,このコヒルガオを単にヒルガオと呼ぶ場合もあって和名はまぎらわしい。

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