ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビクトル2世」の意味・わかりやすい解説
ビクトル2世
ビクトルにせい
Victor II
[没]1057.7.28. トスカナ,アレッツォ
シュワーベン出身の第153代教皇(在位 1055~57)。貴族出身。神聖ローマ皇帝ハインリヒ3世(在位 1039~56)の首席顧問を務め,1054年に皇帝から教皇レオ9世(在位 1049~54)の後継者に指名された。1055年4月の登位後,6月にフィレンツェで会議を開いて聖職者の結婚と聖職売買を厳しく戒め,同様の司教会議をリヨンやツールーズでも開いて教会改革を推進した。1056年10月にはハインリヒ3世の臨終に立ち会った。皇帝の幼い息子,ハインリヒ4世(在位 1056~1106)の後見人として,また摂政を務める皇太后アグネス・フォン・ポアトゥーの顧問として強大な権勢をふるった。権力を巧みに行使して神聖ローマ帝国全域の平和を維持し,教会の権力を強化した。
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