ピール委員会(読み)ピールいいんかい(その他表記)Peel Commission

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピール委員会」の意味・わかりやすい解説

ピール委員会
ピールいいんかい
Peel Commission

パレスチナ帰属をめぐって,1936年にアラブ側が行なった大規模なゼネストをきっかけとして組織された,イギリスの調査委員会。委員長はピール卿。 37年7月に調査結果を発表し,パレスチナの委任統治は実行不能で,イギリスのアラブとユダヤ人に対する責任は互いに両立しないことを述べ,パレスチナをユダヤ人国家,トランスヨルダンを含めたアラブ人国家,イギリス統治地域に3分割することを勧告した。またこの分割案が受入れられない場合には,委任統治当局は年間1万 2000人の範囲で,ユダヤ人の移住を以後5年間だけ認めるべきであるとも主張。イギリス政府は当初この分割案の採用に傾き,37年に白書を作成したが,38年 11月には分割案は非現実的であるとしてこれを撤回。同委員会の分割案はアラブ側指導者には拒否されたが,シオニズムの指導者はこれを受入れた。

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