日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファイナー」の意味・わかりやすい解説
ファイナー
ふぁいなー
Herman Finer
(1898―1969)
欧米の政治制度の実証的な比較研究に優れた業績をあげた、イギリスの政治学・行政学者。1924年、ロンドン経済学院London School of Economicsで学位をとり、1942年まで同校で講師を務めた。この間にフェビアン協会執行委員、アメリカ社会科学調査会議の招請によるテネシー川流域開発公社行政調査主任、シカゴ大学教授なども務めている。1930年代から1940年代にかけての行政責任をめぐる、内在的責任論者C・J・フリードリヒCarl Joachim Friedrich(1901―1984)との論争において、議会や裁判所による外在的行政統制すなわち外在的責任論を展開した。主著に『近代政治の理論と実際』The Theory and Practice of Modern Government全二巻(1932)、『近代政治の未来』The Future of Modern Government(1949)がある。
[三橋良士明]