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行政責任(読み)ぎょうせいせきにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

行政責任
ぎょうせいせきにん

行政機関もしくはその構成員である公務員が,自己の行為に関して究極的には民衆に対し負う責任をいう。どのような方法で効果的に行政部を統制し,行政責任を確保するかは昔から重大な問題であった。近代の代議制国家では,行政部に対する立法部の優位の確保に多くの努力が注がれてきた。特にイギリスのような議院内閣制の国では議会の意思に基づく内閣の形成,下院の上院に対する優越,内閣の連帯責任制,議会審議における質問時間の制度など,立法部による行政監督の原理から派生した慣行が重視されてきた。また三権分立制をとるアメリカ合衆国においても,立法権や予算編成権から国政調査権あるいは大統領弾劾権にいたるまで,立法部の行政部に対する統制手段が認められてきた。さらにこれらに加えて,議院内閣制と大統領制とを問わず,裁判所や会計検査院などによる行政部統制がはかられるとともに,行政内部でも自己統制制度の整備に一応の関心が払われてきた。

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知恵蔵の解説

行政責任

行政が、広範な裁量行為を伴いながら執行される現代においては、行政は、絶えずその作為、不作為について弁明できる状態で行為しなくてはならない。こうした責任の確保のために、行政は客観的に確立された真理に基づいて実施されねばならない(機能的責任)とされ、また、市民の感情に的確に応えねばならない。しかし、あらゆる領域にわたって、客観的に確立された真理なるものが存在するとは限らず、また、市民の参加についての制度的工夫もバイアスがかかったものとなりがちである。行政の責任の確保が、行政官において自覚的に追究されると同時に、行政の統制のチャンネルが多元的に整えられていることが重要となる。

(新藤宗幸 千葉大学法経学部教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ぎょうせいせきにん【行政責任】

ある行政行為の結果が環境(人,物,自然等)に損害や被害を与え,それが一定の法的・社会的準則からみて許されないものと考えられる場合,その行為が問責されること。〈行政の責任領域〉とか〈行政の守備範囲〉というように行政が責任をもって取り組むべき,あるいは解決すべき課題(行政需要)の総量を表す場合もある。 行政責任が成り立つには行政担当者が,その職務上とった行為(作為)あるいはとらなかった行為(不作為)の結果として,ある事態の発生を招来させたことが確認される必要がある(〈因果責任〉)。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ぎょうせいせきにん【行政責任】

行政機関がその国家作用に関して負う責任。作為・不作為にかかわらず、その行為が行政機関として不適当なものであり、他に損害を与えた場合に負うべき責任。

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