翻訳|fauna
ある一定の場所あるいは同一の環境にすむ動物の全種類をいう。動物相ともいい、フロラflora(植物相)に対応する語。種類相互の関係や環境との関係といった意義は含まれず、また動物の個体数や優占度といった量的評価も含まれていない。場所、環境の範囲は任意に設定でき、オーストラリア大陸のファウナ、能登(のと)半島のファウナといった例は、大小の地理(場所)的基準によるファウナである。河川動物相や森林動物相は、環境あるいは生息場所を基準にしたファウナの例である。
昆虫相(昆虫ファウナentomofauna)、プランクトン相plankton faunaというように、特定の分類群や生活形についてのファウナを部分ファウナという。動物地理区の設定には、急激なファウナの変化が利用されている。ファウナを明らかにすることは、生物群集や生態系にかかわる生態学にとって重要である。しかし、主として分類学上の困難さから、小地域についてさえ全動物のファウナを知ることはきわめてむずかしい。
[谷田一三]
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…フォーナまたはファウナともいう。分類学上の概念で,特定の地域に住む動物の種類構成をさす。…
…彼はもともと森の神で,とくに森の中で聞こえる不思議な音は彼の声と想像されたところから,予言を伝える神としてファトゥウスFatuus(〈語る者〉の意)と呼ばれることもあった。神殿はティベリス川の中州にあり,2月13日にファウナリアFaunalia祭が行われた。このほか,生あるものの多産と豊饒を祈願する2月15日のルペルカリアLupercalia祭も,おそらくルペルクスLupercusの名のもとに崇拝されたファウヌスの祭式であったと考えられている。…
…その名は〈良き女神〉の意。牧人と家畜の神ファウヌスの姉妹,妻または娘とされるところから,本名はファウナFaunaまたはファウラFaulaであったという。彼女の祭礼は毎年12月にその年のコンスル(執政官)またはプラエトル(法務官)の任にある者の家で,かまどの女神ウェスタに仕える女祭司ウェスタリスの司式のもと,女性のみが参集して執り行われた。…
※「ファウナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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