翻訳|fauna
フォーナまたはファウナともいう。分類学上の概念で,特定の地域に住む動物の種類構成をさす。生物相のうち動物のみを取り上げたものであるが,その生活環境は植物相を基盤とするから,生態的には生物相として考えることとなる。そこで動物相は,その立場によって次のように分けることができる。(1)生態学的見方によるもの これはさらに,環境によるもの(森林動物相,砂漠動物相など)と季節によるもの(夏季鳥類相など)に分けられる。(2)分類学的な見方によるもの これはさらに,大区分によるもの(脊椎動物相など)と類別的なもの(鳥(類)相,昆虫相,チョウ相など)に分けられる。
現在の動物相は,過去の気候や陸地の変動を通じて変遷してきたものであると同時に,環境の変化によって今後とも変遷を遂げる可能性をもつものである。そのような変遷の歴史とメカニズムを研究するのが動物地理学の課題である。
執筆者:黒田 長久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)
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ある一定の場所あるいは一定の環境にすむ動物の全種類をいう。ファウナfaunaともいう。
[編集部]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…ある地方に生息する動・植物の種類組成をさす。動・植物に分けて動物相,植物相,さらに類別して,鳥相,哺乳類相,昆虫相,あるいは環境別にとらえて,森林動物相,ブナ林鳥類相,また潮間帯生物相などと限定できる。生物相は,何が(種類),どこに(地理分布),どんな環境に(生態分布),どのくらい(密度,生物量)いるかを明らかにし,さらに食物連鎖などによる群集構造としての把握,その系列におけるエネルギーの流れ(群集経済),種間の社会関係(群集機能)などの分析に進むために不可欠の基礎データである。…
※「動物相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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